No.72(英・仏の身分制議会) :
「百年戦争前の英仏関係とはどのようなものか?」
国内に広大な英領のあるフランスと、フランスにノルマンディー公国やアンジュー伯
領のあるイギリスであったが、ジョン王(英)とフィリップ2世(仏)の戦いで仏が勝利
して仏内英領の大半が仏王領になった。また、ジョン王の時にマグナ=カルタ(大
憲章。立憲政治のルーツ)、次のヘンリ3世の時に「シモン=ド=モンフォールの議
会」(議会政治のルーツ)が成立したのがイギリスで、フランスでは三部会がイギリ
スに約40年遅れて1302年に成立している。
<評価の観点>
関心・意欲・態度:
「ノルマン=コンクェスト」による英仏関係の「もつれ」について復習し、その宿命的
な対立関係に大きな関心を持って、学習に取り組もうとしている。
思考・判断:
例外的に王権が強大であったイギリスだからこそ、ジョン王の悪政にブレーキをか
けるという意味でマグナ=カルタが成立し、それが立憲政治のルーツとなった意義
について考察している。
資料活用の技能・表現:
「フランス国内イギリス領」の拡大と縮小を図示した地図を、時系列で見ることにより、
地方領主の強かった封建時代の両国関係について把握している。
知識・理解:
プランタジネット朝の成立や、リチャード1世・ジョンの兄弟王(英)とフィリップ2世(仏)
の争いにより、「フランス国内イギリス領」が拡大したり縮小したりしたことや、英仏両
国の身分制議会の成立事情について、基本的な知識を身につけている。